『風のたより』的な生き方

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『風のたより』的な生き方

 青春。旅。

 この言葉を聴くと私の胸はキュンとなります。私は、今、42歳になりますが、私のオツムは中学生以下のひどいレベルです。年だけはとっていますが、たいした人生経験もないし、42年間、常にアウトサイダーに生きてきました。学生時代は落ちこぼれ、スポーツもできませんでした。とりたてて、とりえもなく、常に社会の底辺を歩いてきました。仕事では失敗ばかりしていましたし、たいした趣味もあるわけではありません。おまけに障害ももっています。

 しかし、青春を墓に捨てることだけはしなかった。捨てようにも捨てるチャンスが無かったというのが本当のところですが、この捨てるチャンスが無かったという甲斐性の無さが良かった。変にもてていたり、変にエリートコースにのっていたら、私は簡単に青春を捨ててしまっていた可能性があったからです。結果論ですが、恵まれて無かったからこそ、青春も旅も墓場に捨てられなかった。そのために
1.先が見えない
2.それゆえに悩む
3.だからこそ手探りで進んでいく
という選択肢をとらざるえなかった。その結果、友情とか、ふれあいといったすばらしい財産を手に入れつつあります。しかし、ここで「俺には友情と言う財産がある」と過信したら青春は終わってしまうんですね。俺には友達がいると思い込んだとたんに青春は終わりなんです。安心したら終わりなんですね。だからつねに相手を思いやってないといけない。自分は、油断すると、すぐに人を傷つけてしまうと思い込んで用心しないといけない。そう思うのです。

 だから青春を捨てないで生きていくためにも、いつも悩みつつ修行していかないと駄目だと思います。恋に悩みに悩みぬいて、手紙を書いたりデートに誘ったりして、手探りでアタックしていきます。そんな時、人は誰でも美しくなります。男も女も美しくなる。一生懸命に相手をのことを思いやるために美しくなります。その努力が短期間で終わってしまえば、その人の青春は短いもので終わるし、何年も続くようなら、深みのある青春になると思います。

 そして深みのある青春を築き上げるには、麻疹のような恋ではだめであり、70歳になっても90歳になっても、相手を思いやるといった本物の友情でないと難しいのではないのでしょうか? さて、ここで『風のたより』の主旨を思い出してみてください。

 『風のたより』の主旨は、一生のつきあいのできる仲間作りをめざすことにありますが、自分の利益は決して求めず、内輪をつくらず、決してもらいっぱなしにならず、あたえあい、困ったときに助け合わなければなりません。これは、簡単なようで、かなり難しいことです。一生の友人をもつということは、本当に難しいもののです。

 主旨には、「一生の友人をもつということは、本当に難しいもののです」と書かれてありますが、これは一生、青春(旅)の中で生き続けることが難しいということでもあります。でも、難しいけれど青春に生きる事は楽しいのです。青春の定義を思い出してください。青春とは「若く溌剌とした時代」のことなのです。
『風のたより』 SINCE 1992.3.1 
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