『風のたより』隊、三雲町に行く!

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『風のたより』隊、三雲町に行く!

ゴールデンウイークも後半となった5月はじめ、ようやく完成した知床探険の本「ぶるる知床」第2版を手に、幕末の探険家である松浦武四郎の故郷、三重県は三雲町に向かった。

 三雲町での目的地は3カ所。
・松浦武四郎の生家(1月に亡くなられた武四郎の子孫、松浦清さんの御焼香)
・小野江郵便局(生家の目の前にあり、清さんを紹介して頂いた。「ぶるる」を届ける)・松浦武四郎記念館(何度かお世話になっている。同じく「ぶるる」を届ける)
である。

『風のたより』が三雲町を語る上で忘れてならないのは後藤純子さんである。
後藤さんは知床探険の後、松浦武四郎の故郷の三雲町を訪れ、これら3ヶ所の人達と仲良くなってきた。
現在の『風のたより』と三雲町との結びは、後藤さんのおかげだ。
(詳しく知りたい方は「ぶるる知床」を参照)

郵便局

 他の人達が来る5月3日は祝日で郵便局が休みのため、前日に伊勢に行く途中で後藤純子・佐藤智・土井健次の3人が立ち寄った。

「大丈夫かな。館長さん異動になってなければいいけどな。私の事覚えているかな。今日発売のドラえもん切手、まだ残っているかな」

実は心配性だったりする後藤さん。まだ9時過ぎだよ。(郵便局は9時に開く)

 後藤さんが恐る恐るドアを開ける。

「ああ、いらっしゃい。よく来たね」と気さくに出迎えてくれた。「よかった」一安心する後藤さん。
「先日、大阪の笹川さんという方がいらしてね」

 そうだった。もう1人、『風のたより』が三雲町を語る上で忘れてならない人がいたのだった。
 わざわざ大阪から知床発表会に来てくれた笹川華織さんが、今度は「ぶるる知床」を片手に三雲町を訪れ、郵便局や記念館を訪れて「ぶるる」を紹介してくれた上、注文まで取ってきてくれたのだった。
松浦清さんが亡くなったという情報を知られてくれたのも笹川さんだった。
 後藤さんに佐藤・土井を紹介してもらい、早速「ぶるる知床」を手渡す。

初版は笹川さんから見せてもらっているだろうが、第2版では今までよりも松浦武四郎に関するページが増えている。A4版500ページの本は、見た目にも迫力がある。
「こんな立派なものを」と喜ばれた上、「わざわざありがとうございます」とお土産まで頂いてしまった。
その上、「まあまあ上がってお茶でも」と言われ、思わず「ここって本当に郵便局だったっけ?」と顔を
見合わせたものだった。
 せっかくなのでゆっくり話をしていきたかったが、これから伊勢神宮まで行かなければならず、そんなに時間はない。
伊勢神宮に行く目的は、やはり松浦武四郎だ。
ここ三雲町を伊勢街道が貫き、武四郎の生家は街道沿いにある。
彼が旅に目覚めたのは往来を行く旅人の姿に影響された事も大きいだろうし、当然ながら伊勢神宮にも行ったに違いないだろう。

「これから伊勢神宮に行くんですけど、向こうに松浦武四郎関係のものってありますか?」
そう聞くが、特にこれといった情報は得られなかった。
 ただ、途中にある斎宮歴史博物館を教えてくれた。ぜひ一見の価値があるという。そして、
「松阪に抜けるなら、このまま旧街道を通るといいですよ」と道を教えて頂いた。
 後藤さんも無事にドラえもん切手を入手し、安心して郵便局を後にしたのだった。

松浦武四郎記念館


「どうせだから記念館にも寄って先に「ぶるる」を渡し、みんなが明日来ますからと挨拶しておこう」
という事になり、記念館へ。
「こんにちは」と顔を出すと、まず受付の方が「あれ?」といった顔をしてチラっと後ろを振り向く。
「おや、いらっしゃい」と現れた学芸員さんも、「変だな」と言いたげに壁の方をチラっと見る。
おかしいな、どうしたんだろう? 何かあったのだろうか?
よく見ると、そこにはホワイトボードがあり、明日3日のところに「稲沢の後藤さん」と書かれていた。
「確か、明日お見えになられる予定でしたよね」
なるほど。それで納得した。
 後藤さんが事前に連絡したからではあるが、それにしても前回と言い、今回と言い、どうも『風のたより』隊は記念館には網を張られているようだ。
(この辺りは「ぶるる知床」を参照)

「実は、明日もう1度伺う予定なのですが、先にこれを渡そうと思いまして」
と「ぶるる」を2冊渡す。そして伊勢神宮に松浦武四郎に関するものがあるか聞いてみた。
 残念ながら、ここでも目的の情報は得られなかった。武四郎と伊勢神宮は、あまり縁がなかったのだろうか?
「先に本を渡したけど、あれがよかったのかな」
「さあね、明日来たら対応が変わっていたりして」
「問題は、どう変わるかだよね」
 さて、明日が楽しみだ。
『風のたより』 SINCE 1992.3.1 
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