軽井沢高原スノーシューガイド
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自分を見つめよう

 私たちは、知らず知らずの間に、レールの上を走らされています。文明や、社会や、国家に守られたレールの上をです。それ自体は、決して悪いことではありません。しかし、たまには列車を降りて、途中下車してみることも必要でしょう。いつも目的地ばかりに向かうのではなく、目的もなく駅周辺を散策してみるのも人生にとっては大切なことです。

 私たちの住む世界は、三次元の世界です。しかし、私たちのおくっている人生は、一次元的です。いつも目的へ一直線であり、それは脱線せずに完璧にレールを走る新幹線のようです。登山道にしたって、頂上に向かって一直線というものが多いです。

 スワヒリ世界では、特定の所用のための遠出のことをサファリといい、所用を伴わぬ遠出のことをテンベアと言って区別しています。これは私たちが「出張(所用)」と「旅行」とを区別しているのと同じです。どちらも空間的移動には違いありませんが、サファリとテンベアも、出張(所用)と旅行も、あきらかに違うことを私たちは知ってます。では、主張(所用)と旅行は、どう違うのでしょうか?

 出張=一次元的な世界=レールを走る列車
 旅行=三次元的な世界=途中下車してみる

 私たちは知らず知らず旅をしています。これは防衛本能のようなものです。旅をしないと精神が参ってしまう。日常の中だけにいると、自分を見失うことがあります。気づかないうちに自分が自分でなくなり、1つの歯車として、機械的に動くだけの存在のようになってしまいます。

 日常に忙殺されるうちに思考能力が低下していって、機械的な毎日をおくるだけになってしまいます。そうなると、自分の意志は消滅してしまい、機械における部品の一部として評価されるようになります。

「悪い部品だ」
「役に立たない部品だ」
「良い部品だ」

と世間にいわれては一喜一憂し、機械の部品として悩み、機械の部品として落込み、機械の部品として喜んだりします。そして自分でもわからないうちに、日常という機械装置に潰されてしまってまうのです。

 そこで旅をする。自然にふれる。山に登る・・・・といったことをするわけですが、問題は、そういった、旅・自然にふれる・山にのぼる・・・・といったことさえ−次元的にシステム化されてしまっていることです。

 つまり、途中下車して町を散策するつもりでいたら、いつの間にか乗り換えていて、別の列車に乗っていたということは、よくあるのです。そういう人は、かならず、旅行から帰って、こういうものです。

「やっぱり家が一番だわ!」

 でも、ちょっと待ってほしいのです。あなたは、途中下車して街を散策したつもりでいて、別の列車に乗り換えていませんか? 最初から最後まで、ずーっと、−次元の世界にいませんでしたか?

 本当に、あなたは駅を降りたのですか?
 街を散策したのですか?
 山を散策したのですか?
 あなたが見た街は、山は、
 確かに本物だったのですか?

 見たと思った景色は、 実は、列車の車窓から見た風景の一部だったのではないですか? 幻覚や蜃気楼のようなものを見たのではないですか? もう一度、自分を見つめなおしてみましょう。スノーシューを持って本物の散策をしてみましょう。一次元ではなく、三次元の世界を歩いてみましょう。登山道でない道を歩いてみましょう。そうすれば、何か見つかるはずです。


つづく・・・・

スノーシューの歴史

 スノーシューの歴史は、とても古いものがあります。紀元前4000年頃、中央アジアにはすでにスノーシューの原型が存在していたといいます。そこからフィンランド方面へ伝わり、ノルディックスキーとなりました。フィンランド東部の遺跡、リピレリで発見された初期のスキーは1メートルぐらいの長さだったと言われています。

 また、古代スノーシューは、シベリアにも伝わりました。そして凍結したベーリング海峡を越え北アメリカへ伝わり、アメリカの先住民によって改良され今日のデザインのスノーシューが完成しました。

 1990年代に、素材をアルミなどに変え、爪を搭載して新しいギアとして生まれ変わりました。それがスノーシューです。今では世界で約900万人がスノーシューを楽しんでいると言われています。


トレッキング

 雪に覆われた静かな森のなかには新発見がいっぱい。深い雪のなかでもスノーシューなら自由自在に歩けます。

 足元だけでなく周りの樹もよく観察してみましょう。落葉樹の森なら、枝先に面白い形の冬芽、木の上のほうには丸い茂みとなったヤドリギが発見できるでしょう。葉の落ちた季節はバードウォッチングにも最適です。



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